子どもが引っ越しをした後、思いがけないことが起きた。
我が家の老犬が認知症を発症したのだ。
毎日子供を送り出し、毎日深夜であろうと待っていた愛犬。忙しさにかまけて子どもとが引っ越しをしたことを言うのを忘れていた。犬に言ったってといわれそうだが、我が家の犬にはいつも「うちのセキュリティは君にかかっている」「子どもは数年大学に行くので家には帰ってこないよ」など良く話していた。
人が来れば家の人は「吠えなくていい」というまで吠え、毎朝座って子どもを見送っていたのに大学生活の一人暮らしの最中は習慣になっていた見送り作業をパタッとしなくなった。
また子供が就職で家に戻ってきたときには「家からお仕事通うことになったって。毎日またよろしくね」と言えば毎朝数年間のブランクもないかのように見送り作業をしていた。
そんな我が家の犬は突如愛する家族が姿を見せなくなったことに困惑していたのだろう。帰ってこない子どもを待っていた。子どもの引っ越しと重なって仕事が例年にないほど忙しかった。そんな犬の気持ちなどまったく考えていなかった。
ある日を境に深夜になると犬が吠えるようになった。
吠えるといってもなんだかくぐもった声だったので初めは我が家の犬ではないのかな?とも思った。
しかし方向的に我が家の犬以外にありえない。
不安そうな顔で鳴く犬を私は怒ってしまった。こんな深夜に鳴かないでと。
いままでの犬であったなら怒られちゃったと黙るのですが、この時は様子が違った。
じっと私の顔を見てさらに吠えまくったのです。
仕方なくその晩は近くにいることにしましたが、翌日の犬の行動をみているとなんだかおかしい。
ぐるぐるまわっている。。
さらに主人から最近歩きたがらないので散歩に行っても数分で帰ってきてしまうと聞く。
おかしい・・・
一番心にひっかかっていたのは鳴き方でした。籠るような遠吠えとも違うなんだかわからない声。
その後、近くに人がいないと連日鳴くようになった。
病院へ行き経緯を話してみた。
いつもお世話になっている獣医師の先生は穏やかに笑いながら「認知症ですね」と言った。
切羽詰まっていた私は泣きそうになったけれど、なんとか対処方法を聞いて帰ってきました。
- 日中は頑張って起こしておくこと
- 散歩はちゃんとすること
- 日光に当たるようにすること
- スキンシップをとること
簡単そうでなかなか難しい。お休みの日ならともかく起こしておくのは大変そう。
でも病院へいって眠くなる薬などはあるけど腎臓を悪くする。まだ歩けるのでなんとか頑張って。
という先生の言葉に小さな覚悟を持って家に帰ってきました。
老犬となった我が家の一員が不安なく過ごせるように住居環境などを考えなくてはね。
老犬介護一年生ですが頑張ります。
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