自分で思っている以上に我が家の老犬が認知症になったことがショックだったらしい。夜になると吠えないか心配し朝になればできるかぎりのスキンシップをしようと試みるのですが自分がしょんぼりしてしまった。
私はなんとも勝手な生き物であったと思う。
いつでもどんな時も犬は我が家を守り家族を守ってきてくれたというのにそれを当たり前に思ってしまっていた。
帰ってこない家族を毎日待つ姿はなんとも言えない気持ちになる。
遠方に住む子どもにLINEをしてみた。
状況を話したところ大変驚きそして大変心配をしていた。
「どうして認知症だと分かったのか?」「今の状況はどうなのか?」など質問もいくつか飛んできた。
動物病院での先生のお話を出来る限り正確に伝えてみました。
「帰れる時には帰って一緒に遊んで体を動かそうと思う」という返事がきた。子どもも仕事で忙しいので無理をしないことを伝えてLINEは終わりました。
「心配だな」と言ってくれたことがなんだか私にはホッする言葉になりました。
長い時間過ごした犬は一緒に老いてはくれない。家族の誰よりも早く老いてしまう。
あんなに一緒にいたのに私達を忘れてしまう日がくるのかもしれません。人間の認知症とほぼ同じであればそういう日がくることも考えておかないといけないのだと思います。
そんなことを考えていたのですが「今日、家に帰る」と子どもから連絡がきました。
「忙しいので日帰りだけど犬の様子を見に行くよ。ついでに年賀状もプリントアウトしたいし」と。
家に到着した子どもの手には老犬のおやつが沢山入った袋が握られていました。「これをおやつにあげて」と言われ預かりました。
玄関で犬のおやつを私に渡すとさっさと庭に向かっていった。
老犬はぼんやりしていたけれど、子どもの手のひらで撫でられて「大好き」な人が帰ってきたと瞬時に認識。犬でも表情が変わるんです。とっても嬉しそうに側に寄り添ってました。ときおりクンクンと子どもの香りを嗅ぎまたぴったり寄り添う。
その後おやつをもらったり、遊んでもらったり。
「できるだけ体を使って遊んで夜は寝れるといいね」と犬に向かって言っていたけど、私が頷いてしまった。
急遽帰ってきたくれた子どもにご飯をつくりいろいろ話をしつつ、ふと気が付くと犬のところでブラッシングをしてくれていたり、撫ででくれていたりしました。前日にLINEで話したことを実践してくれていたようです。
年賀状印刷をセットしてコートを手に「散歩にいってくる」と犬を連れて出ていきました。
2㎞の散歩
ここ数年で一番長い散歩でした。帰ってこないので心配していましたが一人と一匹は楽しそうに帰ってきました。いつもよりだいぶ多いご飯をもらって頑張って食べていました。そんなに食べられるんだとちょっと驚きましたが食べた後もふらふらと子に近づていきましたが、もう帰る時間。
子どもが荷物をまとめ玄関をでると犬が庭で鳴きました。
不思議ですがわかるんですね。
その夜は熟睡できた犬と、今後の老犬の介護の不安で焦っていたのだと思う私も夢も見ることなく寝ることができました。
子どもに助けられました。
不安でも不安でなくても時間は過ぎていくのなら出来るだけ犬が不安に思わないようにニコニコと生活をしていくことを目標にしていこうと思います。
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