顎変形症の入院一日目

コロナ禍の影響で子どもの病室への入室は厳禁だった。

少し前までいろいろな手術が延期になっていたので、その患者さんたちが一斉に手術をしたらしく入院する場所は予定してた病棟ではなかった。

高齢の方々の中で一人20代の子どもが入院となった。

手術直後は麻酔で朦朧としていたものの麻酔がきれたら痛いだろう。静かな病室でご迷惑をおかけすることになるなぁと思っていた。

術後1日目に15分ほど面会をしていいことになり時間通りにナースステーションに到着。

病室には入れないので入院患者さんたちがジュースなどを買いにいくスペースで会えることになったいた。これはどの患者さんのご家族も同じような対応だった。時間指定を前日までにしておき面会の方達が鉢合わせないようなスケジュールで15分という時間も言われていた。

車椅子にのった子どもが廊下に現れる。

そのまま車椅子で来るのかと思いきや歩くように言われている様子。昨日手術したのにもう歩くように言われるのかと少し驚いたけれど動いた方が回復が早いと聞いたこともあるのでそういうことかなと思った。

心配をよそにしっかりした足取りで近づいてきた子どもは私の顔をみるなり「痛い・・」と言っていました。

顔の鼻の下の部分は二倍以上に腫れていて昨日の手術後の顔(いつも通りの顔)とは程遠く顔には頭の上から顎にかけてサポーターのようなもので固定さえてること、鼻のからは出血することから綿のようなものが入っていたりと痛々しい限りです。

「痛くて夜寝れなかった。痛み止めを追加してもらおうとおもったんだけど看護師さんたちが忙しそうでなかなか言えなかった」とのこと

いや、そこは言っておくれよと思いましたが我慢強いのはきっと私に似てしまったのだと思う。

とにかく日にちが過ぎればどんどん良くなるよとしか言えなかった。

口の中から手術しているので食べることが難しいらしく飲み物をもってきてと言われていたのでストロー付きで飲めそうなものを用意していきました。

以前矯正歯科の先生が「親御さんが進めても本人がやりたくないということも多いんですよ。手術などの痛さもありますし」とおっしゃっていたことが良く分かった。

本人は治したい一心でここまでやってきたけれど痛さは誰も変わってあげられないですよね。

15分は短いなと思って病院へいったものの顔が痛々しく、しかし元気な様子に10分程度で帰ろうとするともう少しいてよと言われ病院の中の話を面白そうにする子どもの話をうんうんと聞きながら15分経過。

「今日はお風呂に入ろうと思う」というまたしても驚きの発言に逞しいと思ってしまいました。

だいじょうぶなの?と聞いたところ

昨晩は起きて飲み物を飲もうとおもったら鼻からいっぱい血がでて入院着を派手に汚してしまったとのこと。看護師さんに着替えを手伝ってもらって着替えてまたすぐに出血してしまってまたしても血だらけになったそう。

二回目のときはすぐだったこともありまた着替えるの大変だからそのまま寝たそう。

ちなみに入院着はレンタルしていたので汚れても新しいものをもってきてもらえたらしい。

「そう、血だらけだったらシャワー浴びたいよね」と日常会話では到底ない会話をしつつエレベーターに乗る私。見送る子どもはやはり少し不安そう。

またくるね!と言い残し病院を後にしました。

そして私はまた平常心になるまで数十分の間、駐車場にいました。

無事に手術が終わって安堵したのは本当。

しかしあんなに顔が腫れて痛々しいこどもの姿をみて衝撃を受けたのも本当。

治るのだからそんなことで衝撃を受けなくてもいいと思うけれど、ニコニコと本人と話して勇気づけてきたけれど一人になると動揺を抑えられなかった。

コロナで病院のスタッフの方々がピリピリしているので明日の面会は見送ろうと思っていたけど寂しそうに送る子どもの姿を目の当たりにして少し迷う。

夫に明日は行ってもらおう。会いたいけれど。

そんなことを考えながら車のエンジンをかけました。

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この記事を書いた人

趣味は読書とドライブ、水泳や散歩も楽しみます。最近は庭作りにも挑戦中。いくつになってもいろいろなことにチャレンジできたらいいなぁと思っています。よろしくお願いします。

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