日曜の晴れやかな日。
家族で老犬ホームに向かっていた。子どもは老犬ホームに預けるのはきっぱりと反対だと言っていた。
車で1時間あまりの場所にある老犬ホームは民家から離れた場所にあった。
わかりにくいので途中まで迎えに行きますというお話でしたのでコンビニでお迎えを待つ。合流して一緒にホームまで行った。
応対してくださった方は女性の方でさっぱりとした口調の方で園内を歩きながら説明してくださった。
とても広いドッグランで芝生が気持ち良い。犬が沢山生活しているだろうに嫌な臭いもしなかった。もちろん犬だというか何か生きているものがいるような匂いはしなかった。
ドッグランの柵には犬用の毛布などが干されていたしドッグランには老犬が沢山いたのにだ。
犬が普段過ごす屋内のスペースも冷暖房完備で畳み1畳分くらいのスペースを正方形にした感じで区画がありそちらも見せていただいた。そして別の棟には静かに横になっている犬たちの姿もあった。日当たりがよく施設の方達がその棟の前を行き来するので今までみせていただいた棟よりさらに目が届きやすい感じはする。
広いドッグランの一つに案内されて驚いた。それは柴犬が圧倒的に多いのだ。日本犬は認知症になる割合が多いと聞く。日本の気候にあっている犬なので長生きだとも聞く。
それにしても柴犬が多い、多すぎる。どうしてなんだろう?という疑問がわきでる。
我が家の犬と同じようにくるくると回り立ち止まってぼんやりする。
まるで愛犬をみているようだった。
ここにきてやっと我が家の犬は認知症でもうかつてのあのハキハキとして犬にはもどってくれないことを知る。うっかり泣きそうになってしまった。ここにいる子達の様子をみればどんなに信じたくなくても現実を知ることになる。
案内してくださっている方が屋根を指さして「園長です」と。園長さんは屋根の修理をしていた。朗らかな方で屋根から地面に降りてきたらドッグランの中にいた犬たちが寄っていく。
この時に預けるならばここにしようと思った。
口がきけない犬たちがあんなに園長に集まっていく。大事にされているのだろうと思った。
途中、胸がいっぱいになってしまってから質問はありますか?という問いにもなにも質問できず園を後にした。
家で最後まで頑張って看取ろうという思いは小さくなっていく。
夜、鳴かないように必死に寒い玄関で犬に寄り添う。そんな日常より冷暖房完備で夜泣きするということを受け入れてくれる場所で過ごしたほうが幸せなのではないだろうか?
家に帰って家族会議をすることになった。
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