当日の決断
老犬ホームにお願いしたものの葛藤は続き昨日の夕方にはホームにお断りの電話をしました。しかしそんな夜、11時から明け方の5時まで吠え続ける犬に心が折れてしまった。
徘徊をしつつ隅に顔をいれ「通れない。通れない」と鳴く繰り返しだった。
人間はもちろん犬にとってもかなりの負担なのは翌朝の顔をみればわかる。
犬は朝になると静かに横たわり寝始めるのだ。いったいどうして夜ではなくて朝に寝るのだろうと泣きながら家族に訴えかけるも「それが認知症というものなのかもしれない」ということであった。
私はまだ思っていたのだと思う。あのしっかりとして我が家を守っていてくれた犬が認知症は訳はないと。
昨日の夕方にお断りをしたばかりなので朝もう一度電話をしてお願いすることにした。恥ずかしながら涙声での電話となった。なにかあったんだろうという担当者さんからは「ご家族全員の同意がないと」といういうことを言われました。家族の同意は数分前の家族会議で全員一致での判断でした。
この日慌てて私達家族は犬の引っ越しにむけて仕事を休むことにし、ホームからのアドバイス通りに使っていた毛布や食べていたフード、その他思いつくものを持ち車に乗り込みました。
犬は車に乗ると病院なのかもしれないといつも通りに「ふんふん」と鳴きましたが、昨晩は一睡もしておらず家族会議の間は徘徊といわれるくるくる回る動作をしていたので10分ほど走ると寝てしまいました。
主人「一生会えなくなるわけではない」という言葉にそうだよね。といいながら寝ていない頭でぼんやりとこんなはずではなかったなど後ろ向きな気持ちしか出てこなかった。
せめて車のなかですやすやと寝ている犬にほっとしたのを覚えています。
老犬ホームに到着
他の犬と仲良くすることがなかった我が家の犬はだいじょうぶなのだろうか?
園につき車を停車しながらぼんやりとそんなことを考えていました。エンジンを切ると同時にニコニコ顔の園長さんが私たちの前に現れました。同時にスタッフのみなさんも持ってきたフードなどを皆さんで運んでくださいました。
「そらちゃん」と呼ぶ園長さん。寂しくて泣きなくなる私。
園長さんはそらを抱き上げました。
ここで本当にびっくりしたのです。いままで私達家族にしか懐かず誰にも手を触れることも難しかった彼がのんびりと抱っこされている。
そのままドッグランに入っていくと穏やかな一匹の犬が待っていました。
同じ柴犬の男の子で年は我が家の犬より数カ月上
まずは穏やかな彼のちかくに我が家の犬を置いてみる園長。静かに二人は寄り添っていた。
ここでも私はかなりの驚きました。園長さんがとなりでニコニコして「だいじょうぶそうだね」というと他のスタッフさんが違う犬をドッグランに連れてきました。何度もそういうことを繰り返し数匹の犬と我が家の犬はドッグランで一緒に過ごしていました。犬同士のご挨拶にも怒ることなくいる我が家の犬。
安心しました。
最後に園長さんが「ご夫婦で少しのんびりされて旅行でも行かれたらどうですか?」と帰るときにお話しくだいました。
園長さんが犬を抱っこしてお見送りしてくれました。犬は嫌がるでもなくわかっているのかもよくわからなかったけれど安心して抱っこされている姿をみるとほんの少し安心しなから家に向かう車に乗り込みました。
迷って迷って決断が遅れこの老犬ホームの園長を始めスタッフのみなさんにはご迷惑をおかけしました。しかし笑顔で迎えてくださってことに感謝しています。ありがとうございました。
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