離ればなれになった家族を月に一回老犬が会わせてくれているのかもしれないとふと思った5月。雨の多い天気が続き、雨であれば面会が出来ない可能性もあるので今月は会えないかもしれないと思った。
予定の日は朝から暑いほどの天気であった。予報は朝から一日雨であったのに不思議なことである。犬が待つ場所へ早めに向かう。家族でご飯を食べてから向かうことにしたからだ。
海辺の町を通るので海鮮をいただこうと思って開店30分後に着くと長蛇の列になっていた。こんなに混むとはとおもったものの仕方がない。違うお店も車がいっぱいだ。そうこうしているうちに約束の時間まであと30分。犬にあってから食事にすることにした。
あまりに早く園に到着するとみなさんのご迷惑になると思うので近くのコンビニでアイスを買って時間を調整して向かう。
ドッグランに犬の姿があった。
歩いている姿をみてとても幸せな気持ちになった。
元気そうでよかった。
スタッフの皆さんにご挨拶をして面会させていただく。ドッグランには見学の家族も来ていた。
前回、私達を忘れてしまったように思った犬は今日は顔つきがしっかりしていた。それでもいつわからなくなるかもしれないのでしっかり名前を呼んで体をさする。認知症には波があるらしい。
お世話をしてくださっている方も犬の特性をすでにご存じで「朝声をかけるとなんだよ?ふん!という感じ」ということを話されていた。そうなのだ、単純に人に寄り添う子ではないのだ。自分は自分という犬なのだ。
わかっている!ということに私はとても嬉しかった。
しかし分単位で、いや秒単位で変わっていくのでわかっている時間になんとかコミュニケーションがとれないかと頭を撫で体をさする。
今のうちに今回持参したおやつをあげようと個室に行く。
やはりもう目はあまり見えていないらしい。耳も遠い。おやつの袋の音を聞いても反応しない。目の前におやつを差し出すとやっと気が付いてパクパク食べた。
美味しい?と聞いてもそんなことは聞こえているのかわかっていて反応しないのかはわからない。
それでも食欲旺盛というのは私達家族にとって喜ばしいことであり安心する材料でもあった。
さすった体は一カ月まえよりも細くなっていた。
特に下半身は細いというよりも薄くなっていた。
先月まではなかったおむつも少しだショックであった。柴犬特有の自分の陣地では用を足さないという気質に大雨の日も台風の日も猛暑の夏も朝晩の散歩をしていた犬だった。
でもいてくれればいいのだ。
私の親友は間違いなくこの犬なのだ。
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